孤独力(H29.8月)

コラム

「孤独力」とは、「孤独を積極的に意識し、未来のために使おうと楽しむ力」です。
学生の「LINEへの付き合いの良さ」には目を見張るものがあります。とりとめもなく打ち込まれる、他人の余暇に作られた、グループチャットのとんでもない量のメッセージ。
周りの人間関係を良くするために、日々、努力をし、一生懸命友達とつながろうとしている一方で、誰かと誰かが遊びに行ったという話を聞くと、とても寂しくなっている人がいるようです。こういう人には、「孤独力」が不足していると言えます。

LINEに振り回される人は、孤独力がなく、自分一人の時間を他人の力でしか埋めることができないので、話題を追い求めたり、他人がやっていることを真似ばかりしています。結果、自分の時間を自分で楽しむことができないのです。

もともと人間には、人と関わりたいという「集団欲求」がありますが、一方で「他人には入ってほしくない領域(パーソナルスペース)」や、自我を脅かされるのを嫌う「親和回避欲求」というものも持っています。

「みんなと仲良くしなさい」「友だちが多い方が良い」という教育がもとで、「友だちが少ないのは寂しい人」「いつでも周りに人がいることこそが幸せ」というような偏見が育まれ、自信のなさが加味されると孤独力のない人間が育ちます。孤独になることを恐れ、時にはノイローゼになりながらも友達の数を増やそうとする人もいます。

何でもかんでも、友達の真似をしたり、話に無理に加わったり。そんな人は薄っぺらく、友達は欲しいと思っても、追いかける方が多く、なかなか見向いてもらえないものです。逆説的かもしれませんが、一人で楽しんでいる人の方が、他人から見て魅力的で人が寄ってくることが多いものです。
群れること、独りでいること、バランスのよい時間配分を心掛けてほしいものです。一日中LINEの人は、離れる時間もつくりましょう。

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